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ベントン彫刻機ちょうこくき

ベントン彫刻機

金属活字は、文字ごとにデザインされた母型をもとに鋳造します。ベントン彫刻機は、その活字の母型を彫る機械です。

文字の形をデザインした原図げんずを描き、そこからパタンと呼ばれるプレートを作ります。

パタンをベントン彫刻機に取り付けて、パタンの凹部おうぶを針(フォロア)でなぞるように動かすと、パンタグラフの原理により、その動きに連動して機械の上部の彫刻刀が動きます。その結果、文字の形を大幅に縮小した相似形そうじけいで細かく彫刻することができます。縮小率は字形を彫るマテとパタンの距離を変えることで調節することができます。

母型の文字の大きさの違いで、そこから鋳造される活字の大きさが変わることになり、様々な大きさの文字で印刷ができるようになります。

この機械を導入することで、日本に無い活字、世界中にも無い活字を作り出すことができ、幅広い印刷物を作ることができるようになりました。

パタンと針(フォロア)

彫刻刀

母型ぼけい

アルファベットの母型

漢字の母型

活字を鋳造するときに字面の型になるもの。

マテに字形を彫刻して作成します。

母型は正像せいぞうであり、そこから作られる活字が鏡像きょうぞうになります。

原図げんず

活字のもとになる文字のデザイン。

活字よりも大きく描かれ、その形をもとにして、様々なサイズの母型を作ることがができました。

パタン

文字の形の溝が付いた金属製のプレート。

原図亜鉛版あえんばんに焼き付けて、薬品で腐食させて溝を作っています。

パンタグラフ

菱形の収縮機構を意味する言葉。

それぞれの角を止めたひし形の角度を動かすことで、2つの大きさの異なる相似形の三角形がペアとなって動く仕組みにより、拡大図、縮小図を簡単に描くことができます。

マテ

母型を彫刻する、真鍮しんちゅう製の金色の角材。

Material がなまったものと言われています。