金属活字は、文字ごとにデザインされた母型をもとに鋳造します。ベントン彫刻機は、その活字の母型を彫る機械です。
文字の形をデザインした原図を描き、そこからパタンと呼ばれるプレートを作ります。
パタンをベントン彫刻機に取り付けて、パタンの凹部を針(フォロア)でなぞるように動かすと、パンタグラフの原理により、その動きに連動して機械の上部の彫刻刀が動きます。その結果、文字の形を大幅に縮小した相似形で細かく彫刻することができます。縮小率は字形を彫るマテとパタンの距離を変えることで調節することができます。
母型の文字の大きさの違いで、そこから鋳造される活字の大きさが変わることになり、様々な大きさの文字で印刷ができるようになります。
この機械を導入することで、日本に無い活字、世界中にも無い活字を作り出すことができ、幅広い印刷物を作ることができるようになりました。
菱形の収縮機構を意味する言葉。
それぞれの角を止めたひし形の角度を動かすことで、2つの大きさの異なる相似形の三角形がペアとなって動く仕組みにより、拡大図、縮小図を簡単に描くことができます。