活版印刷の道具たち

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単母型鋳造機たんぼけいちゅうぞうき

トムソン活字鋳造機

万年自動鋳造機

左がトムソン活字鋳造機、右が万年まんねん自動鋳造機という機械で、ひとつの母型から、同じ活字を連続で鋳造する鋳造機です。

地金を電熱やガスの熱によって300度以上の高温で溶解し、ノズルから噴射して母型を接触させた鋳型いがたに充填します。鋳型部分は活字のボディとなり、母型部分が文字の形になります。

鋳型の中の溶解した金属が、水の循環で冷やされて固まると、活字が完成します。

鋳造された活字は、鋳造部門で「文選箱」に詰められて、文選部門に渡されました。

母型を設置した鋳造機の一部

活字の出来上がりの様子

母型ぼけい

アルファベットの母型

漢字の母型

活字を鋳造するときに字面の型になるもの。

マテに字形を彫刻して作成します。

母型は正像せいぞうであり、そこから作られる活字が鏡像きょうぞうになります。

マテ

母型を彫刻する、真鍮しんちゅう製の金色の角材。

Material がなまったものと言われています。

地金じがね

金属活字の材料となる鉛を主成分とする合金。

金属活字の材質は、一般的に鉛80%、アンチモン18%、スズ2%の合金です。

文選箱ぶんせんばこ

文選工が拾った活字を収めていく木製の箱。

鋳造された活字を文選部門に渡すためにも使われていました。

文選工ぶんせんこう

原稿に従って活字棚から活字を順に拾い、文選箱に納める職人。

活字を拾いながら植字作業をするのは煩雑で効率が悪いため、原稿の中の文字をあらかじめ文選箱に拾っておく作業を行います。専門的な難解な文字を読み解かなければならないため、博識な方でなければ務まらなかったと言われています。